阪神なんば線開業
昨日ですが、20日(金)に神戸フェリーバス・高松エクスプレス運行の神戸-高松線〔神戸FOOTBUS〕号がダイヤ改正され、同時に高松エクスプレスに初のエアロエース2台が登場したということで、三宮へ撮影に行ってきました。
その前の晩にかねてから話題になっていた阪神の難波延伸が20日からだと知り、ついでに試乗も兼ねることにしました。難波は私の行きつけであるYAMADA・LABI1なんばがあり、来月の転居に向けて洗濯機・掃除機・炊飯器・ポットの価格調査をする必要があった(買うのはヤマダ電機であればLABI1なんばでもLABI千里でも構わないわけですが、価格.comの市場最安値と比較して値切り交渉はします)ので、三宮から難波へと順番に回る予定に変更しました。
三宮へは昼前に着いたために高松エクスプレス便はおおむね到着が終わっており、午前の最終到着便である12:10着便は05年の神戸線開業時に登場した252号車で当ては外れました。高松エクスプレスの出発便が集中する時間帯は15:50~17:50の3本で、ここまで待ってると難波へ行く時間がなくなるのでまた後日リベンジすることにしました。ちなみに神戸フェリー便の方は13:30発の週末臨時便で貸切兼用車のPJエアロ2241号車が登場し、この車は初めて撮ることができました。
本題の阪神乗車に向けてはバスの出発が落ち着いた後、13:45頃に移動しました。駅に行ってみて驚いたのですが、今回の阪神なんば線は昨秋の京阪中之島線の時と異なりかなり反響が大きかったようで、人でごった返していました。それは2県の県庁所在地が一本の電車で結ばれるからなのか、関西の大手私鉄同士が初めて相互乗り入れを開始するからなのかはわかりません。しかし、三宮-奈良間はJRでさえ現時点で直通電車がなく、唯一の存在になるのは間違いなかったので期待は大きかったことでしょう。それに加えてこの路線が今大阪で一番の集客力を誇っている難波を通ることも大きなメリットであるように思います。まさに阪神電鉄が「神戸・難波・奈良、つながる」とPRしている通りです。これまで阪神三宮駅の上り電車の行先は「梅田」ばかりだったのが、そこに一列車だけ「奈良」があると、これだけでも強烈な印象を覚えました。
頭端式ホームの3番線に下りてほどなくしてやって来たのは13:58発快速急行の近鉄5800系・5802F(DH02編成)でした。ついに神戸に近鉄電車がやって来ました。阪急沿線で生まれ育った私にとっては近鉄の車両は大阪や京都の地下鉄に乗り入れているものくらいしか乗る機会がありませんでしたが、ついに近鉄の本線系の車両も身近に乗る機会ができました。この5800系は初代L/Cカーとして登場した車両ですが、阪神線内は6両編成しか走らないためしばらくクロスシートは封印するそうです(←しかし同じく阪神に乗り入れる山陽電車は終日クロスシートなんだよな~)。私は今回せっかく乗るなら阪神の新製車1000系か近鉄のシリーズ21がよかったので、この5802Fは見送ることにしました。

↑阪神三宮駅へ乗り入れた近鉄の赤白塗装車 (2009・3・21 阪神三宮)
阪神・近鉄両社の運行配分は単純に半々というわけではなく、相互乗り入れを行う三宮-奈良間の総延長キロの配分によって決まるため、近鉄の方が若干多めという結果になりました。このことから快速急行も阪神車と近鉄車が必ず交互に来るわけではなく、次の14:18発奈良ゆきも近鉄車になりました(この辺りは梅田-姫路間の阪神と山陽の関係と同じです)。この三宮14:18発快速急行は近鉄のシリーズ21の一つである9820系・9828F(EH28編成)がやってきました。もちろん、この形式を三宮で見ることも私には新鮮でした。近鉄奈良線の新形式車(シリーズ21)で6両貫通車はこの9820系だけのため、どうやら9820系が近鉄側の乗り入れ車両の主力車となっているようです。全10編成が在籍していますが、全車に阪神乗り入れ対応工事が施工されたようです。ちなみにこの9820系はL/C車ではありません。奈良線新形式のL/C車は5820系6両編成5本(5821F(DH21)~5825F(DH25))となります。そこでこの9828Fに乗って出発することにしました。

↑近鉄のシリーズ21も阪神三宮駅へ登場 (2009・3・21 阪神三宮)
近鉄の車両は基本的に近畿車輌製のためJRの車両と似ているところはありますが、独自のサービスにも目が留まりました。2つありまして共通して座席に関するものでした。まずはロングシートであっても人数配分を明確にし、それに応じて座席に仕切りが入っていました。最近はJR321系のようにシートに一人分の窪みを入れ何人掛けのシートなのか明示する車両は増えてきましたが、肘掛けのミニマム版みたいな仕切りは初めて見ました。つまりこれがあると隣が空いたからといってお尻を平行移動することができないのです。321系でも座席の窪みのおかげで7人掛けのシートに7人着席することが定着しました。それまでの207系までの車両では7人掛けのシートに6人しか座れないといったことはよくあったのです。近鉄はこういった問題に早くから取り組んでいたようですね。もう一つは側引戸に面した端の座席の仕切り(壁?)が大きく造られていたことです。JRでも207系はしっかりしていますが321系はパイプだけで造った簡素なものになりいただけなかったです。その点近鉄はこの仕切りを大きくしてくれたので移住性が良かったです。
近鉄車両ですが、始発の三宮では「本日は阪神電車をご利用いただきましてありがとうございます。奈良ゆき 快速急行でございます。…」というLEDテロップが流れていました。乗り入れ対応工事で案内プログラムも変更したのでしょう。これによると停車駅は魚崎・芦屋・西宮・今津・甲子園・武庫川・尼崎・西九条・九条・ドーム前・桜川・大阪難波・近鉄日本橋・大阪上本町・鶴橋(西九条から鶴橋までは地下区間のため各駅停車)・生駒・学園前・大和西大寺・新大宮のようで、阪神線内では駅数が多くかつ特急との兼ね合いから停車駅を最小限に絞った(絞り過ぎると停車駅数が特急と同等以下になるのでまずい)結果がこれのようです。今津や武庫川は接続駅ではあるもののかつては優等列車にあまり相手にされず不便だったような印象がありますが、今回の改正で一気に飛躍したように見えます。
本当は難波まで一本の電車にそのまま乗っていくつもりでしたが、三宮も難波も地下駅である上せっかくの好天に恵まれたため、途中の尼崎で一旦降りて少し撮影していくことにしました。こまめに停車を繰り返した快速急行は14:43に尼崎に到着しました。三宮から25分はちょっとかかり過ぎのような気が…。大阪-三宮でさえJRの新快速は21分、阪急の特急は27分ですからね。やはり尼崎駅でも近鉄のシリーズ21は人気者でした。

↑阪神尼崎駅でも異色の近鉄9820系 (2009・3・21 阪神尼崎)
尼崎まで来てようやく阪神なんば線のダイヤ体系がわかりました。三宮にいる時点では神戸-奈良を直通する目玉商品の快速急行しかありませんでしたが、旧阪神西大阪線の起点である尼崎までは非優等種別も多数乗り入れていました。というよりは快速急行を除き旧西大阪線の線内普通電車をすべて近鉄乗り入れに変えたようでした。このため尼崎駅では20分間隔の1サイクルの間に快速急行1本(奈良ゆき)・区間準急1本(大和西大寺ゆき)・普通1本(東花園ゆき)の計3本が運転されていました。つまりは1時間あたり片道9本の運転になるので、阪神なんば線内は高頻度で電車が走っていました。降車した快速急行の後続は14:47発の普通・東花園ゆきで、私がこの日見る中で初めて阪神1000系がやってきました。三宮口では1000系はあまり見ませんでしたが、尼崎以東では元気に活躍しているようでした。この普通電車には1203Fが充当されており、1203Fは新線開業を記念したヘッドマークのようなステッカーが貼ってありました。阪神初のフルカラーLED式行先表示器を採用して見やすくなった上そこにラグビーの聖地・花園の地名が現れるとは…直通運転でなければできない技ですよね。軒並み混んでいた快速急行とは異なり、尼崎始発のこの電車はガラガラで発車していきました。尼崎から見れば大阪難波までの間に追い抜きはないので、どの電車に乗っても先着するんですがね、駅ではしきりに「今ホームで停車中の電車が大阪難波までは先着します」旨の放送を繰り返していました。

↑阪神の新鋭1000系とそこに現れた「東花園」の駅名 (2009・3・21 阪神尼崎)
次の14:55発区間準急・大和西大寺ゆきは近鉄の2両編成が3重連で運転されていました。それも9020系2本の間に1252系を挟んだ変わった編成になっていました。この電車が待機中、ちょうど隣の4番線に下りの三宮ゆき快速急行で阪神の1000系(1208F)がやってきたため、ついに阪神・近鉄2本の並びが実現しました。

↑阪神1000系近鉄9020系の並びが実現 (2009・3・21 阪神尼崎)
この区急の次は1サイクルが回り、乗ってきた快速急行の次の快速急行(15:03発)となります。この電車は近鉄の9821Fとなり、快速急行が3本続けて近鉄車での運転でした。先発の2本とは違い、快速急行は格段に混んでました。三宮から乗ってきた電車と同じ車種だし始発電車は空いているのでこの快速急行も見送りました。先の写真で阪神車の快速急行が発着した4番線がなんば線の到着ホームらしく、尼崎止の普通・区間準急もこのホームに着いた後西側の電留線に引き揚げすぐに折り返しで、これは近鉄・阪神のどちらでも同じでした。普通電車で尼崎に着いた9020系3重連編成の中の中間編成に新線開業PRのラッピングが施工されていました。ちなみにこの両端の編成も伊勢志摩のラッピングが施工されており賑やかでした。

↑9020系3重連編成の西方を担当した9029F (2009・3・21 阪神尼崎)
15:07発の普通・東花園ゆきは阪神の1206Fでした。この電車も先の1203F同様のヘッドマーク付きでした。この電車でもよかったのですが、待機していた次発の区間急行も1000系だったので、なんばへはそれで向かうことにしました。

↑尼崎始発の普通で2本連続で担当となった阪神の1000系 (2009・3・21 阪神尼崎)
次の15:15発区間準急・大和西大寺ゆきで阪神1000系のトップナンバー車が登場したので、これで尼崎を離れることにしました。この日阪神車で行先に奈良県内の近鉄駅を見るのは初めてで、なかなか見事でした。9821Fの快速急行が遅れていた関係でその後の電車に順番に遅れが波及していました。関西では私鉄で遅れはあまり聞きませんが、今回開業した阪神なんば線の最大のライバルは遅れのようです。というのは土日はあまり関係ないですが、ラッシュ時は尼崎-大和西大寺が8両ないし10両まで増結運転されるため、増解結作業の不手際や連結に関する装置の故障などで遅れが慢性的に発生している線区なんだそうです。加えて近鉄・阪神ともに車両の初期故障が続いていてこれが落ち着くまではダイヤの乱れは避けられません。乗車した区間準急も2分ほどの遅れで尼崎を発車しました。

↑尼崎から乗車した区間準急の阪神1201F (2009・3・21 阪神尼崎)
区間準急の停車駅は(阪神線内)大阪難波までの各駅・近鉄日本橋・大阪上本町・鶴橋・布施・河内小阪・(近鉄線内)東花園以遠の各駅で、通過駅がなんと近鉄の5駅のみとのんびりした設定でした。近距離ならいいですが、やはり尼崎から生駒・西大寺・奈良へ急ぐのであれば快速急行でなければならないことに納得できました。この停車駅設定がまた快速急行の混雑を招いている理由でもありました。阪神の車両といえば武庫川車両製が多いですが、乗車した1201Fは珍しく近畿車輌製でした。それでもJRや近鉄と違い近車と阪神はそれほど深い関係にはないため、1000系はあまりJRや近鉄の車両と似た点は見受けられずオリジナリティーを保っていました。
西九条までの旧西大阪線内はホームこそ延伸やリフレッシュはされていましたが、線路自体の改良はほとんどされておらず、「下町の中の急カーブ」が随所に残っていました。この関係からか、この区間は全体的にスピードが抑えられていました。予定では西九条15:26着・大阪難波15:34着で西九条までに半分以上の時間を費やしていました。新線区間は次の九条までは地上を走っているもののシールドのようなものに覆われ沿線の景色は確認できませんでした。ただ途中大阪環状線をオーバーラップしていることは間違いありませんでした。そのシールドごと傾斜を下っていき、地下区間に入ってすぐのところが九条駅でした。九条の次は大阪ドームの最寄り駅、ドーム前になります。これまで大阪ドームの最寄り駅は地下鉄長堀鶴見緑地線のドーム前千代崎駅でしたが、長堀鶴見緑地線が利便性に欠けるせいか評判はいまひとつでした。しかし今度の阪神なんば線は駅とドームの距離が短いのはもちろんですが西は三宮、東は奈良まで直通のため利便性は格段に向上しました。加えて阪神甲子園と大阪ドームが一本の電車でつながったため、野球ファンには嬉しい上新たな需要が引き出せそうです。
次の桜川には従来から地下鉄千日前線が乗り入れていましたが、今回阪神が接続することでさらに便利になりました。この桜川駅は運行上キーになる駅で、2つのポイントがあります。1つはここで阪神と近鉄の乗務員交代が行われます。何で大阪難波で交代しないのかは謎です。私が乗った区間準急でも(最後尾車両に乗ったので)後を見ていると阪神の車掌が下車し近鉄の車掌が2名乗車していました。2つ目は前後の線路配置についてです。従来は近鉄難波駅の西側が近鉄の折り返し用電留線でしたが、その中に阪神なんば線の本線を建設したため、電留線が減少してしまいました。難波へは近鉄は奈良線の電車しか乗り入れないのでその半数以上はそのまま阪神(最低限は尼崎まで)に乗り入れることになりますが、難波へは他にも布施から大阪線経由で名古屋・伊勢志摩まで走る特急も乗り入れてくるのでそれらは大阪難波折り返しになります。そこで大阪難波西方の代わりに桜川駅の西方に近鉄の折り返し線が造られたため、桜川は阪神の駅ながら近鉄の回送電車も捌かなければならない駅になりました。回送の都合上、本来は阪神線内では運転されないアーバンライナーといった特急列車も桜川駅限定で見ることができるそうです。桜川-大阪難波は近鉄の回送列車も含めると多数の列車が運転されていることになるので、これもまた運行上のネックになりました。乗ってきた区間準急は桜川での停車時間も他駅に比べて長かったですが、駅を発車して途中で信号待ちにより停車する羽目になりました。結局尼崎からの遅れも含め大阪難波へは6分の延着になりました。
今後もこの阪神なんば線は大いに期待できると思います。ただし最近の私鉄にはなかった「遅れが発生しやすい」という体質を持ち合わせているため、今後はこのインシデント(尼崎・大和西大寺の増解結作業および桜川-大阪難波の信号処理)をどう克服していくかが神戸-奈良直通交通機関のリーダーとして定着するためには重要な鍵となりそうです。

↑大阪難波へ到着した阪神1000系の区間準急 (2009・3・21 大阪難波)
なんばからの帰りは新今宮で南海とJRを乗り継ぎました。南海にもフルカラーLED行先表示器を付けた車がいるようで以前ちらっと見かけて気になっていたのですが、たまたま乗り合わせて正体がわかりました。区間急行・みさき公園ゆきで運転していたこの電車は8000系という車両で、製造は東急車両でした。2007年製だったので製造から間がないわけではないようです。車内は削れるところで設備が簡素化されており、JR東日本E231系のように側引戸内装にデコラがなく、銀色の金属色がむき出しになっていました。4両編成で当該列車は8両編成だったため、和歌山方に1000系4両編成を連結していました。南海は4または2両編成の車両が多く、営業運転を行うに際して異車種の編成同士が連結されているケースはよく見かけます。

↑南海の新鋭8000系車両 (2009・3・21 新今宮)






































































↑223系直通快速 



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